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震災を機に福島県移住。古民家でパン店を開業。

【パン店経営】
岩波聡子さん

福岡県福岡市出身。東京で大手新聞社の写真記者を経験後、パン作り教室の講師に。同僚だった夫の独立を機に福島市へ移住。その後2019年に会津美里町へ移り、パン店を開業。夫と子ども2人と暮らす。

どうして会津美里町に移住しようと考えたのでしょうか。

岩波さん : もともと東京で全国紙の写真記者として働き、趣味のパン作りも楽しんでいたんです。趣味を極めたくなって新聞記者を辞め、パン学校やパン屋勤務を経て自宅パン教室の講師になりました。震災後には同僚だった夫が被災地のフォトジャーナリストに転身。ともに福島県福島市へ移住しました。その後、田舎の古民家に住もうと会津地域一円をチェック。役場の親切さやいい物件があったことで、2019年に会津美里町へ移りました。

現在の仕事や働く環境について教えてください。

岩波さん : 移住した年には自宅に自家製天然酵母パンいわなみ家を開業しました。当初はパン作り教室も開催していましたが、コロナ禍の影響で現在は実施していません。定期的にパンを焼いて店頭販売するほか、SNSやHPからのご注文に応じて商品を送っています。作っているパンには、地元産ブドウ由来の酵母を使用。ブドウやベリーなどの果物からは酵母が取れるため、うまく地元産品とつなげることができました。

現在の暮らしや住まい、家族の様子についてはいかがですか。

岩波さん : 住まいは集落の中にある築100年以上の古民家。細かく手入れされていた点がよかったです。移る際に手を入れ、玄関脇にパン工房を設置。居間の南側にはウッドデッキを設け、そこでパンを販売しています。暮らしている高田エリアにはスーパーやコンビニなどがあるので便利ですね。会津若松市まで行けば病院やファストフード店なども利用できます。地域に溶け込めるか心配だったんですが、幸いご近所に恵まれました!

これから取り組みたいことがあれば教えてください。

岩波さん : 住まいを決めた理由のひとつは、家の3倍の広さという庭があったこと! そこでラズベリーやブルーベリーを育て、それらをジャムにしたりその酵母でパンを作ったりできればと考えています。地元のワインと合わせて何か考えるのも楽しいですね。ちなみに夫は民俗文化にも興味があるので、奥会津にもたびたび足を運んでいます。将来は奥会津を舞台にした写真集を出版したいと考えているようです。

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